【義母の看取り】嫁姑問題、乗り越えて幸せを願う最期。

看取りでできること

嫁姑問題はよく聞くワードですね!
実の親子であっても、わかり合えないことがあるのが現実。違う環境で生まれ育った赤の他人同士となると、余計にわかり合うことのハードルは上がるのではないでしょうか。
今回は80代の女性と、嫁姑問題を乗り越えて義母を看取られたお嫁さんのお話です。

姑の入所

80代後半の女性。キーパーソンは息子嫁さんでした。いつも面会に来て下さっていて、洋服などの差し入れもよくして下さるお嫁さん。お嫁さんに良くしてもらえて幸せな方だなぁという印象でした。
当の女性は若干つっけんどんな感じ。まぁ、元々の性格なんだろうな…
それでもお嫁さんがこんなに良くして下さるのだから、お嫁さんのことも可愛がっておられたんだなと思っていました。

しかし実際のところ、家族関係は外からは見えません。
家族のカタチはぞれぞれだし、ひとつとして同じ家族のカタチはない。人からは羨ましく見えるご家族であっても、ご家族の中では違う感覚を持っておられることもあるのではないでしょうか。

嫁姑問題を乗り越えて

女性が入所されてから時は流れ、女性も徐々に元気を失っていました。看取りの時期を迎えられていたのです。
ご家族と女性が穏やかに過ごすことができるようお手伝いする日々。ある日、お嫁さんがおっしゃいました。
「昔は色々あったんですよ。息子のことは可愛がっても、私のことは可愛がってくれませんでしたし…」と笑顔で話されるお嫁さん。
外から見ると円満な家庭。その中でも嫁姑問題を抱えておられたのです。家庭内で辛い時期も過ごして来られたお嫁さん。それでも「色々あったけど、最期は大切にしようと決めたんです。」

思わず感心してしまいました。私ならできるかな?というのが素直な感覚でした。

義母の看取り

お嫁さんは先にご自身のご両親を看取られていたので、色々な思いはあったけれど、お姑さんの最期も自身の両親と同じように大切にしようと決めたそうです。
嫁姑…世代が違えば価値観も違う。大切に思っていることが違うこともありますよね。互いに良かれと思い行動しても、受け入れられないこともあると思います。
色々な葛藤を乗り越えて、それでも家族として何ができるかを考えて行動されたお嫁さん。素敵だなと感じました。

最期を大切にすることとは?

私の母は数年前に孤独死しました。
子どもの頃は無条件に大好きだった母。しかし大人になるにつれて考え方の違いなどもあり、母とは距離を置くようになっていました。

そして心理的距離が縮まることなく突然の別れ。母の死によって何もできないまま親子の時間は終わりを迎えたのです。

母の死後に後悔したこと、それは母を大切にできなかったことです。今でも母に対して子どもの頃のような感情は持てないし、時間が経っても心の中で母と和解できたわけではありません。

 ※母の孤独死に関する記事はこちら

けれど最期くらい大切にできていたなら、ありがとうと言えていたなら…
もし母の最期を大切にすることができていたなら、このモヤモヤする気持ちは変わっていたのかもしれません。

女性を看取り、職員へ感謝を伝えるお嫁さん。
「私にできることは、してあげられました。」と涙ぐみながら話される姿は、ホッとされたようにも見えました。
お姑さんの最期の時間を大切にできたお嫁さん。結果的にはご自身を大切にする選択にもなったのではないかと思うのです。

人間関係も人それぞれ。
皆さん自身にとって良い選択ができますように!

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