何気ない他者の一言でモヤモヤしたり、他者の行動でイライラしたり……
他人のことがやたらと気になり、「どうしてこんなに人の言動に振り回されてるんだろう?」と思うことってありませんか?
私は現在47歳。ずっと看護師として働いてきましたが、頑張れば頑張るほどに自分を追い詰めてしまい、適応障害になったこともありました。
自分に余裕がないときほど、他者の言動がやたらと気になりモヤモヤ・イライラ。その人を嫌いになりたいわけではないのに、「何で?」と思うことが増えていく。
そんな負のスパイラルにはまってしまうと、本当に息苦しく感じてしまいます。
他人の言動に振り回されてしまう理由、それは自分の中にあることが殆どです。
自分の「正しさ」と違うから。相手に期待してしまっている。自分自身に余裕がない。自分に対しての不満を、他人に投影している。自分の中の「傷」が反応している……
「もっと楽に生きたいのに、どうしてこんなに人のことばかり気にしてしまうのだろう?」と感じているときは、先ずは自分自身と向き合っていきましょう。
自分の感情に気付き、受け止める。価値観の相違に気付く。人は人、自分は自分であることを自覚する。自分を大切にする。頑張っている自分を自分自身が認める。
自分自身の心と向き合っていくことで、本来の自分を取り戻し、自分の人生を生きることができますよ。
自分の人生を生きよう

他者の言動がやたらと気になるとき、それは自分の心が相手に支配されている状態とも言えます。
そんな人のことなんて考えたくないよ!と思っても、考えないようにすればするほどに考えてしまうことはありませんか?
考えたくない人のことや出来事を考え続けてしまうことを反芻思考(ぐるぐる思考)と言います。
人間の脳は「考えないようにしよう」と意識すればするほど、逆にそのことを強く意識してしまう傾向があるのです。
また、ネガティブな出来事や不安は、原因や意味を探ろうとして無意識に何度も頭の中で繰り返し考えてしまうため、なかなか頭から離れません。
さらに、ストレスや自信のなさ、不安が強いときほど、同じことを繰り返し考えやすくなります。このような思考のクセは誰にでも起こりうるもので、脳の仕組みによる自然な現象です。
脳の自然な現象とは言え、やはり他者に心を持っていかれているのは嫌ですよね!
自分の人生を生きるためには、自分自身を深堀りしていく必要があるのです。次から他人の言動にモヤモヤ・イライラしてしまう理由と、振り回されなくなる方法をお伝えします。
「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。」
スティーブ・ジョブズ引用:ビジネス用語ナビ

あなたの人生の舵を取るのはあなたです
他人の言動にモヤモヤ・イライラしてしまう5つの理由
他人に対してモヤモヤ・イライラする理由を考えてみましょう。何が自分の中で引っ掛かっているのでしょうか。
以下のようなことはありませんか?
1.自分の「正しさ」と違うから
2.相手に期待してしまっている
3.自分自身に余裕がない
4.自分に対しての不満を、他人に投影している
5.自分の中の「傷」が反応している
一つひとつ自分の心に問いかけてみましょう。
1.自分の正しさと違うから
・「こうするのが普通でしょ」
・「私はこうやってるのに、なんであの人は違うの?」
▶️ 無意識に「私が正しい、相手は間違ってる」という前提で見てしまうと、違いが許せなくなってモヤモヤが膨らむことがある。
2.相手に期待してしまっている
・「これくらい気づいてほしい」
・「空気読んでよ…」
▶️ 相手に自分の価値観を知らず知らずのうちに押しつけていて、思い通りに動いてくれないとイラッとしてしまう。
3.自分自身に余裕がない
・疲れている
・頑張っているのに報われていない気がしている
▶️ 心や体のバッテリーが切れかけてると、普段なら流せることが引っかかりやすくなる。
4.自分に対しての不満を、他人に投影している
・「私は我慢してるのに、あの人は自由にやってる!」
・「私はちゃんとしてるのに、なんであの人は…」
▶️ 本当は自分自身に「もっとラクしたい」「自由でいたい」という思いがあるのに、それを抑え込んでいると、他人に対して怒りが向いてしまうことも。
5.自分の中の「傷」が反応している
・過去に否定された経験
・自信がなかったときのトラウマ
▶️ 相手の言葉や行動が、過去の傷をチクッと刺激すると、理屈じゃないモヤモヤが湧いてくる。

丁寧に自分自身と向き合うことで、心のクセに気付くきっかけにもなりますよ
他人の言動に振り回されなくなる5つの方法
他人に対してモヤモヤ・イライラしてしまう理由に思い当たることはありましたか?
理由は人それぞれです。自分がこんな思いを持っていたなんて……と自分自身を責める必要もありません。そのままの自分を受け止めましょう。
次に他人の言動に振り回されなくなる方法を紹介します。
1.自分の感情に気付き、受け止める
2.価値観の相違に気付く
3.人は人、自分は自分であることを自覚する
4.自分を大切にする
5.頑張っている自分を自分自身が認める
どれも一朝一夕でできることではないかもしれません。けれど自分自身と向き合うことで少しづつ前に進んでいきましょう。
ひとつずつ説明していきます。
1.自分の感情に気付き、受け止める

先ずは自分の感情を感じてみましょう。それが「怒り」「悲しみ」「寂しさ」といったネガティブな感情であったとしても構いません。
自分がこんな感情を持っているなんて!と否定する必要もありません。
自分では感じたくない感情であったとしても、先ずはその感情を受け止めてみましょう。
感じないようにと、感情を抑え込んでしまうと、抑圧した感情は消えずに蓄積されてしまいます。そして些細な出来事をきっかけに突然怒りや悲しみとして爆発してしまうことがあるのです。
「私は今、怒ってるんだ」「悲しい気持ちなんだね」と客観的に受け止めてあげてください。ネガティブな感情は、その時々で消化していくことで蓄積を予防できます。
ネガティブな感情は決して悪いものではありません。ネガティブな感情は、危険回避や問題解決のための警報システムとして私たちを助けてくれているのです。
・不安:将来のリスクに備える
・怒り:理不尽な状況への対処エネルギーを供給する

「感情そのもの」ではなく、それとどう向き合っていくかが大切です
以下に自分の感情と向き合う手段を紹介します。
マインドフルネス

マインドフルネスとは、意識的に現在の瞬間に注意を払い、判断を加えずに体験を観察することです。
1970年代にジョン・カバットジンによって開発され、仏教の瞑想やヨーガを基にしたストレス低減法として普及しました。
マインドフルネスは、過去や未来ではなく現在に意識を集中させ、「今ここにいる」という状態を目指しています。
過ぎ去った過去を手放し、将来への不安からもはなれて、「今ここ」に意識を置くトレーニングをすることで、集中力が増し、頭の中が明晰になり、心の安定と強さを得るとても良い方法です。
以下のような効果が期待できます。
身体的効果: 免疫力の向上、血圧や血糖値の低下、よく眠れるようになる
精神的効果: ストレス耐性の向上、不安やうつ症状の緩和、集中力や記憶力の向上
生活の質向上: 人間関係の改善や優しさの向上、仕事や勉強での生産性向上
マインドフルネスは、日常生活に取り入れやすく、ストレス解消や精神的健康の向上に役立つ方法として広く支持されています。
参考:Kracie 話題のマインドフルネス瞑想のやり方と効果!瞑想が人生の質を高める
ジャーナリング

ジャーナリングとは、頭に浮かんだ思考や感情をそのまま書き出す「書く瞑想」の一種です。1970年代に心理学者ジェームズ・ペネベイカーが「感情的な体験を書くことで健康改善効果がある」と実証したのが始まりです。
一定時間(通常5~15分)、思考や感情を無編集で書き続ける手法で、日記と異なり「事実の記録」ではなく「内面の言語化」を目的とします。
たくさんの不安やストレスを抱えると、脳の「短期記憶」と呼ばれる部位に空きがなくなり、集中力の欠如や普段できることができなくなるなどの悪影響が現れます。
ジャーナリングによって、溜めていた感情・思考が頭の外に出ることで不安・ストレスが軽減。ストレスが減ることで、自己肯定感も高まります。
参考:一般社団法人日本能率協会 モチベーションアップにも!ジャーナリングも効用
2.価値観の相違に気付く
価値観は人それぞれです。自分自身が「当たり前」と思っていることも、相手にとっては「当たり前ではない」ことは多々あります。
大切にしていることや、こだわりも人それぞれです。
人は皆違うのだと意識することで、お互いを尊重し合えるのではないでしょうか。
3.人は人、自分は自分であることを自覚する
「その人はその人の人生を歩いているだけ」という視点を持てるだけで、気持ちがずっと楽になります。
そのことに気付く方法として、私は朝散歩を実践しています。
朝散歩

私は散歩をするとき、同じ道を通るのではなく、いつも違う道を通ります。新しい道を発見する度に新しい発見があります。
散歩を人の人生に置き換えてみると、「皆、それぞれの道を歩いている」「色んな道があるんだな」と気付けます。
どの道も、その人にとっての正解です。色んなルートがあり、どの道を進んでも良いのです。
人生において、誰ひとり同じ道を歩み続ける人はいません。人は人、自分は自分です。自分の人生を歩んでいきましょう。
朝散歩には他にもメリットがあります。
朝日を浴びることで「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが活性化され、精神が安定し、前向きな気持ちになれます。セロトニンは夜になると睡眠ホルモンであるメラトニンに変わり、睡眠の質向上にもつながります。
朝の新鮮な空気を吸いながら散歩することで雑念を取り払い、自分だけの時間を楽しむことができ、ストレス解消やリフレッシュ効果があります。
4.自分を大切にする
自分自身に余裕がないとき、疲れているときほど、些細なことでも気になってしまいます。そんなときは自分を労ることを意識してみましょう。
ゆっくり休む

知らず知らずに睡眠時間を削ったり、まだまだ頑張れると無理はしていませんか?
睡眠時間を削り続けていると睡眠負債に陥ることがあります。
睡眠負債とは、慢性的な睡眠不足が蓄積されることで、健康や生活の質に悪影響を及ぼす状態です。
睡眠負債の特徴
原因:長時間の仕事、家事、育児、通勤時間などにより十分な睡眠時間を確保できない
症状:日中の強い眠気や疲労感、注意力や記憶力の低下、イライラやうつ症状など
最近イライラしてしまうというときは、睡眠時間を7時間以上とることを意識してみましょう。睡眠負債が気になる方は以下の記事も参照されてみてください。
阪野クリニック(日本睡眠学会専門医:阪野勝久医師):睡眠負債の症状と対処法について
タスクを減らす、もしくはすぐに終わらせる
今やろうとしていることは、本当に今した方が良いことでしょうか。
タスク管理として、やらなければならないことを全て書き出すことも大切です。しかし、タスクが多すぎると、そのことを考えるだけで疲弊してしまうこともあります。
・今日やることは本当に必要なことだけに絞る
・必要なことはカレンダーに書いて管理する
タスクが重圧になるようであれば、少し肩の荷物をおろしてあげましょう。
逆に、小さなことであれば(例えば簡単にできるメールの返信など)直ぐに行うと良いでしょう。脳のリソースが空くので負担感を減らすのに有効です。
目の前のやらなければいけないことを増やさないためには、直ぐに行動できるときはすると意識する。面倒と思う前に動いてみると、案外動けるものです。

周りの人だけでなく、自分自身も大切な人に加えましょう
5.頑張っている自分を自分自身が認める
頑張りは他人に認めてもらう必要はありません、自分自身で認めてあげることもできます。
自分が今日できたことを書き出してみましょう。
たとえ小さなこと(早起きできた、笑顔で挨拶できた等)でもいいので、自分の「できたこと」に注目することで自己肯定感を高めていくことができます。
自分を心地よくしてあげましょう。自分の機嫌は自分で取れるのです。
まとめ
周りのことが気になりモヤモヤ・イライラして、他人の言動に振り回されているなと感じてしまうとき。先ずは自分自身と向き合ってみましょう。
自分の中に閉じ込めてしまった感情を見つめ直していくことで、今の自分自身が置かれている状況が見えてくるのではないでしょうか。
自分自身に向き合い、自分自身を整えていくことで少しずつでも改善していくことができます。
私もまだまだ自分と向き合っている途中ですが、皆さんと一緒に幸せを選んでいけるように一歩ずつ前進していきたいと思います!
コメント