見守り続けてくれた家からの贈り物。

ココからの挑戦

ある友人の話。
自然豊かな離島で暮らす私の友人。看護師として島民の方々の健康を守る傍ら、島の伝統を守るために様々な活動に参加しています。

地域の高齢者が安心して暮らせる島を目指し、日々島民の方の家を周り声をかけ、地域の伝統を守るために祭りなどの行事にも積極的に参加しています。

そして島の恵みに感謝しながら、家族のために海の幸や山の幸で郷土料理を作り、母の味を受け継いでいく。母の味は家族の心を癒やし、ほっとできる空間を創り出す。豊かな自然を感じ、先祖が繋いでくれた命に感謝して暮らす生活。

三味線

友人の趣味は三味線です。親戚から受け継いだ三味線で島唄を歌うこと。そして地域の一人暮らしの高齢者に披露するのです。

三味線の音色は孤独感を癒やし、生きる力を与えてくれる。
「三味線を聴きたい」
その気持ちに寄り添うように、今日も友人は高齢者の生活だけでなく心を支えているのです。

先日、古くなった友人の家を解体したそうです。しかし、思い出の詰まった家。何か形として残せないか?

そう考えた友人は、家の柱で三味線を作ることにしたそうです。
生まれたときから友人の成長を見守り続けてくれた家。
友人が楽しいとき、悲しいとき、どんなときも守り続けてくれた家。その家が形を変えて友人の元に戻ってきてくれました。

今度は友人の大切な三味線として。

形がかわっても大切なもの

形あるものはいつかは滅びるものですが、形は無くしても思い出はいつまでも残る。そして形を変えて戻ってきてくれることもあるのです。

友人の家は、これから友人を雨風から守ることはできません。しかし優しい音色を奏でる三味線として戻ってきてくれました。
いつまでも友人と時間を共有できる友として。

今は何でも手に入る時代だからこそ、見失いがちになることも多い気がします。
島に暮らす友人は、日々目の前にあるものを大切にし感謝して生きる。そんな私自身が見失いそうな大切なことに気付かせてくれました。

三味線として新たな挑戦を始めた友人の家。
私も負けないよう自分の人生を生きたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。
今日も皆さんと、皆さんの大切な人が幸せを選んでいけますように。

コメント

  1. トモ より:

    素敵なご友人ですね
    たとえ形がなくなろうとも思い出は残るし、家が三味線になってご友人の手によって音楽が奏でられ人々を楽しませるなんて…本当に素敵な話です

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