70代後半の女性利用者さんの看取りのお話です。
お風呂が大好きな方でした。湯船に浸かっていらっしゃるときの幸せそうな顔。思わず周りも笑顔に!
気持ち良さそうに入浴していただけると介助している私たちも嬉しくなります。
看取りの時期
そんな女性でしたが、人生の終わりの時間が近付いてきていました。だんだんと呼吸苦も出てきており苦しそうな表情が見られることも…
酸素を使用し対応する日々。できるだけ入浴していただきたく酸素を使用しながらの入浴。女性にとって大好きなお風呂。なるべく気持ち良く入浴していただきたい。
そう願いながら入浴のお手伝いをしていましたが、苦しそうな表情が笑顔に変わることはありませんでした。大好きなはずの入浴が苦痛に変わっている…
そのため、最期の段階では苦痛を少なくすることを優先し、入浴ではなく清拭(身体を拭いて清潔を保つケア)を行っていました。
そして月日が経ち、女性は天国へと旅立っていきました。
エンゼルケア
利用者さんが亡くなられた後はエンゼルケアを行います。最後までその方らしくいていただくために身体を清め、見た目を整えていきます。
エンゼルケアは基本的には清拭を行います。しかし今回はお風呂大好きな利用者さんです。
最後までその方らしい人生を送るお手伝いをしたい。
もう苦しくないですよ!お風呂に行きましょうか?
ご家族の同意を得て入浴していただくことにしました。
気持ちよくお風呂へ
苦痛から解き放たれ穏やかな表情の女性。「気持ちいいですか?」と声をかけると、笑顔が見えた気がしました。
ゆっくりと入浴していただくことができて、私たち職員も心があたたかくなりました。
気持ちよくお風呂に入りたい。その思いに最後に応えることができたのであればいいなと思っています。これからは天国の露天風呂でゆっくりと疲れを癒やしてくださいね。
大切な時間に関わらせていただき感謝しています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
皆さんと、皆さんの大切な方が幸せを選べますように。
コメント